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複雑な景観における遺伝分散の研究について:コメントへの反論 [意見]

Garcia et al. (2009) On gene dispersal studies in complex landscapes: a reply to the comment on Garcia et al. (2005, 2007). Molecular Ecology 18:4536–4540

ヘレラのコメントへの反論で、責任著者はJordanoになっている。反論ポイントは、調査地内の樹木の繁殖動態が異なる、調査地は空間的に隔離されている、先行研究の実験デザインとマーカー多型から推定した親子判定結果はロバストであるの3点。

ヘレラが2008年にマークした個体の大部分はJordanoチームがデータを収集した1996-1997年時点では繁殖個体ではなかったらしく、Jordanoチームが稚樹として記録していた個体が含まれていた。その後、稚樹が成長して繁殖個体に達したので、調査当時には繁殖していなかったらしい。また、ヘレラの見つけた繁殖個体の大部分はJordanoたちの調査対象とは異なる集水域に属しており、繁殖フェノロジーがかなり異なる個体群であるため、交配可能性も高くはないだろうと述べている。

潜在的な親個体をどのくらいしっかりとサンプリングできているのかについては、オリジナルのデータセット、そのうちの一部、追加データを加えたものの3つのデータセットを用いて、前提条件を変えて親子判定を行い、いずれのデータセットにおいても先行研究の結果とは大きく異ならない点を強調している。

ヘレラが勘違いしている点もあるけど、Jordanoチームがきちんと説明していなかった点もあるのかな。

Prunus mahalebの交配パターンと遺伝分散に関する論文へのコメント [意見]

Herrera (2009) A comment on Garcia et al. (2005, 2007) and related papers on mating patterns and gene dispersal in Prunus mahaleb. Molecular Ecology 18:4533–4535.

何気なくHerreraのサイトをのぞいたら、Jordanoチームの研究にコメントしているので読んでみた。Jordanoチームの研究は実際に国際学会などでも聞いたことがあるし、論文もいくつか読んでいる。隔離個体群のすべての親候補(196個体)をリストアップした研究で、遺伝マーカーを種子散布に応用した研究としては最先端を走っているグループ。

先行研究ではJordanoチームの調査個体群から最も近い個体群は1.5kmとされており、その圏内の繁殖個体はすべてサンプリングされていると述べられている点へのコメント。ヘレラがその周辺1.5km圏内で300個体以上の潜在的な繁殖個体を確認しており、これまでのPrunus mahalebに関連した研究の結論の妥当性に問題があるのではないかという点。

両親候補を十分にサンプリングしていない場合の問題点としては、両親候補として決定された個体が過大評価される点と、マッチングしなかった個体を周辺個体群以外の長距離散布として解釈している点。散布された種子の20%が1.5km以上遠くからの長距離散布だと解釈されているが、実際は周辺個体群の未サンプリング個体から散布された可能性がある。

ということで、この個体群を対象とした研究の解釈には注意しないといけないとのコメント。コメントの最後に引用している一文がなかなか強烈で、i.e. spend more time in the field。いや、そうですとも。でも誰か詳しい人が解説してくれないかな?

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