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ツツジ属におけるスズメ目の鳥類による花粉媒介の証拠 [原著]

ツツジ属におけるスズメ目の鳥類による花粉媒介の証拠
Huang et al. (2017) Evidence for passerine bird pollination in Rhododendron species. AoB PLANTS 9:plx062.

昆虫の活動が限定される低気温の場合、鳥類が重要な送粉者になることが考えられる。本研究では、中国南西部の東ヒマラヤにおいて、ツツジ属15種を対象とした訪花者の確認と排除実験(鳥類のみ排除、鳥類と昆虫の両方を排除)から、有効な送粉者を検討している。具体的には、ツツジ属に鳥類が訪問しているのか、それらは送粉者として機能しているのか、ツツジ属の花サイズと鳥類の訪花には関連があるのかを検討している。

調査地は雲南省のCangshan National Nature ReserveとLaojunshan Nature Reserveの2か所で、標高は1800~4200m。そこに分布するツツジ属のうち、排除実験などを行うことができるだけの十分な花数・個体数がある15種(木7種と灌木8種)を対象としている。訪花者の確認のため、各種少なくとも30分の観察を10回行っている。観察時間は8時から18時の間で、5-10m離れた距離から双眼鏡で3個体60~400花を観察している。排除実験は完全排除、鳥類のみ排除、コントロールの3処理。写真の金網だと鳥類排除できているのか微妙な感じがするけど、予備観察ではうまくいっているらしい。もう少しメッシュを細かくするとマルハナバチに影響が出るのだろうか?

15種すべてでハナバチ(マルハナバチとミツバチ)の訪花が見られたが、鳥類は9種でのみ観察された。観察された鳥類は、タイヨウチョウ2種(ルリオタイヨウチョウ、アカオタイヨウチョウ)、コウラウン、シロクロウタイチメドリ、チャバラカンムリチメドリ、メジロなど。鳥類の訪花頻度はハナバチ類よりも低いが、鳥類が訪花した9種はコントロールよりも鳥類排除により結果率・結実率が低下した。鳥類による訪花が見られなかった6種では、1種を除き結果率・結実率は変わらないことから、少なくとも15種中10種において、鳥類が有効な送粉者として機能している。鳥類が潜在的な送粉者である10種とその他の5種の開花時の花サイズを比較すると前者の方が大きく、標高が高いところに分布している。

雲南省での鳥類による花粉媒介に関する先行研究がまとめられており、ちょっと調べるには便利な論文。
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