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ポルトガルのChoupalにおける種子散布ネットワーク [原著]

Cruz et al. (2013) Seed dispersal networks in an urban novel ecosystem. European Journal of Forest Research 132:887-897.

ポルトガル中部にある都市公園内における植物と鳥類の種子散布ネットワークを果実センサスとカスミ網による糞内容分析に基づいて調べた研究で、特に侵入種の影響に注目している。調査地は1791年!に設立された公園で、多様な在来種が生息しているが、外来種フサアカシアAcacia dealbataメラノキシロンアカシアA. melanoxylon、ニワウルシAilanthus altissima、ヨウシュヤマゴボウPhytolacca americanaなども分布している。

調査帰化は2011年7月から2012年2月で、夏、秋、冬の季節でデータを集めている。果実量の季節変動は公園内にランダムに配置した10箇所の50mトランセクトを毎週歩き、トランセクトから1m以内にある果実数を計数している。同時期にカスミ網を用いた捕獲調査を行い、捕獲された鳥類の糞内容分析から果実食を明らかにしている。ネットワーク分析にあたり、各植物種の健全な種子を含んでいた糞の数を利用している。

トランセクト内で8種22797個の果実が計数され、このうち7種が在来種で、残り1種はヨウシュヤマゴボウ。果実量は秋や冬よりも夏で多いが、ヨウシュヤマゴボウの果実数が夏に多いことに起因する(ヨウシュヤマゴボウの果実数で全体の54%)。カスミ網による捕獲調査から35種1137個体の鳥類が捕獲され、うち30種から464個の糞が回収された。在来鳥類11種209個の糞から、15種(在来8種、外来3種、不明4種)、1244個(在来975個、外来224個、残りは不明種)の種子が見つかり、種子散布ネットワーク上で33リンク数となった。すべての季節においてズグロムシクイが主な種子散布者で、のべ11種937個の種子が見つかっている。ヨウシュヤマゴボウは5種の鳥類に利用されており、ズグロムシクイがそのうちの85%を占めている。ただし、ヨウシュヤマゴボウの果実数が占める割合と比べると種子散布ネットワーク内でのつながりは比較的少なく、回収された種子の20%、糞の13%に含まれていたに過ぎない。

カスミ網による調査なので、捕獲できていない鳥類がいることは考察でsampling limitationとしてまとめてある。日本のカスミ網データを解析する際にも同じようなことを検討しておく必要があるだろう。1年限りのデータだけど、都市環境の種子散布ネットワーク構造が季節によって大きく変化することを示した初期の論文。
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