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中国のジンチョウゲ科Aquilaria sinensisの花粉媒介と種子散布 [原著]

Chen et al. (in press) Pollination and seed dispersal of Aquilaria sinensis (Lour.) Gilg (Thymelaeaceae): An economic plant species with extremely small populations in China. Plant Diversity. dx.doi.org/10.1016/j.pld.2016.09.006

東南アジアの代表的な有用材である沈香の一種Aquilaria sinensisの保全を目的として、その花粉媒介と種子散布に関わる動物を調べた研究。Aquilaria sinensisは中国南部に生息する固有種で、生息環境の悪化により、個体数が激減している。同属では、これまでにも花粉媒介や種子散布に関する研究が行われており、特に種子散布者はインドのAquilaria malaccensisでツマグロスズメバチが報告されており(Current science 105:298-299)、中国でも同じようなシステムが見つかったという研究。

訪花昆虫を直接観察しているだけではなく、GC-MSを利用して、花の揮発性物質の化学分析も行っている。種子散布については、エライオソームを切り離した種子などを利用した実験も行っている。ついでにエライオソームの成分分析もしたら良いと思うのだけど、データは提示されていない。花に来るのはNoctuidae、Pyralidae、Geometridaeなどで、多いのがCondica illecta、Blasticorhinus sp.、Hydrillodes spp.など。果実には二つの種子が含まれ、熟すと裂開し、種子が4-7日間はぶら下がる。果実が裂開後、3日以内に33.7%の種子がスズメバチに持ち去られている。多いのがツマアカスズメバチで、68.8%を占めている。

持ち去り実験では、実験室の窓際に置いたシャーレ上のエライオソーム付きの種子を持ち去って飛び去る様子のビデオも公開されている。種子は巣に運ばれるわけではなく、途中で切り離されているらしい。そちらはケージ内に置いた巣を利用して確認している。途中で切り離すなら、最初にエライオソームだけ切り離したら良いと思うのだけど、果実にぶら下がっていると切り離しにくいのかもしれない。目視だけど最大80mは運んでいるので、結構な種子散布距離。

カオヤイのAquiralia crassnaの種子には何か付属体があり、リスは食害しているけど、鳥が散布するわけでもなさそうだったけど、多分、こちらもスズメバチが関わっているのだろうなあ。一度くらい、真面目に観察してみればよかった。

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