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南京中山植物園における鳥類によるヨウシュヤマゴボウの種子散布 [原著]

Li et al. (2017) Dispersal of invasive Phytolacca americana seeds by birds in an urban garden in China. Integrative Zoology. DOI: 10.1111/1749-4877.12214.

南京中山植物園のヨウシュヤマゴボウについて、鳥類による果実持ち去り、果実消費後の止まり木利用、実生の分布パターンの関係を調べた研究。中国には1935年に園芸目的で導入され、外来種として広がっていったらしい。南京市の紫金山の麓にある186haの南京中山植物園が調査地で、コウヨウザン林の中に定着しているヨウシュヤマゴボウ35個体が調査対象。

潜在的な種子散布者となる果実食動物は50x3kmのトランセクトを100m間隔で3本設置し(真ん中のトランセクトはヨウシュヤマゴボウ個体群があるところ)、3日毎に6:30-10:00または15:30-18:00の時間帯で30m以内に出現した鳥類を記録している。距離が長く公園内の様々な環境を含んだトランセクトなので、複数の環境に出現する種をhabitat generalist、特定の環境にしか出現しない種をhabitat specialistとしている。果実持ち去り観察は2012年と2013年にそれぞれ10個体を対象として、調査対象から30m離れた場所に設置したブライドから行っている。さらに調査区を10x10mで区切り、48箇所でヨウシュヤマゴボウの当年生実生の分布を調べている。さらに主要な果実食鳥類2種(シロガシラとサンジャク)を対象として、高いところから個体追跡を行い、止まり木として利用する場所を確認している。

結実期間中に記録された鳥類はhabitat generalistが16種、habitat specialistが9種。そのうち果実消費したのは前者が7種(シロガシラ、サンジャク、キジバト、クロウタドリ、オナガ、ジョウビタキ、ダルマエナガ)、後者が2種(トラツグミ、ルリビタキ)。さすがに日本と果実食鳥類相はよく似ている。訪問パターンは2年間でほとんど同じで、一番多いのがシロガシラで、次がサンジャク、キジバトとと続く。ただ、同じ表にseeds ingested per visitとして採食数が掲載されているけど、この数値はfruitsではないかな?

実生の分布と果実食鳥類の止まり木の位置には関係があるだけではなく、交互作用も見られる。ただ、シロガシラとサンジャクで止まり木として使う位置が違うのかどうかまではわからない。まあ、止まり木のあるところには実生が多く分布することは間違いなさそう。公園なので、林床がよく管理されているのであれば、ヨウシュヤマゴボウの実生が定着できるほどの光条件が確保されているのだろう。まあ、美味しい外来種の果実があれば、在来種も積極的に利用するので、結果的に効率よく種子散布されてしまう事例。

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