So-net無料ブログ作成

ヒメオオコウモリによる送粉がドリアンの果実生産を高める [原著]

Aziz et al. (2017) Pollination by the locally endangered island flying fox (Pteropus hypomelanus) enhances fruit production of the economically important durian (Durio zibethinus). Ecology & Evolution (in press). DOI: 10.1002/ece3.3213

新熱帯のコウモリによる花粉媒介や種子散布の研究と比べると東南アジア熱帯におけるオオコウモリの生態系機能を対象とした研究、特に花粉媒介に係る研究は非常に限られている。一方で、オオコウモリは果実を加害するなど、人間との摩擦もある動物である。すでに小型のコウモリがドリアンの花粉媒介に貢献していることは知られているが、いわゆるflying foxの貢献はよくわかってはいなかった。

調査地は半島マレーシアのティオマン島で、自動撮影カメラをドリアンの樹上に設置して、訪花動物を記録している。自動撮影カメラを2.4-20.3mとさまざまな高さに設置することで、高さによる訪花動物の違いも調べている。カメラのは花から2mの位置に設置し、撮影は10秒間、映像間インターバルは1秒にしている。データの解析に使っているRのパッケージはoverlap、reshape2、ggplot2など。overlapは共著論文で自動撮影カメラのデータ解析の際に使っていたか。自動撮影法と並行して、日中と夜間にそれぞれ直接観察も行っているが、あまり長時間の観察は行っていない。自動撮影カメラの撮影記録からは小型のコウモリの同定が困難な場合があるので、樹上でカスミ網を利用した捕獲調査も行っている。これらの調査から得られた訪花動物と結果率との関係を調べている。

19箇所に設置したカメラの内、16箇所のカメラから54日間2733回のビデオクリップと3367の静止画を得ており、6種の脊椎動物を記録している。無脊椎動物はオオミツバチとガだが、こちらは静止画でのみ記録されている。センサー感度の問題かな。いろいろな高さに自動撮影カメラを設置したことで、結果的に動物ごとに利用階層が異なる可能性、特にSaraさんたちのタイの先行研究から知られているような小型種のみならず、樹高の高い場所の花では、ヒメオオコウモリの貢献が高いことを示している点が重要。タイ南部に住んでいたころの宿舎横のアカテツ科の木にもよくオオコウモリが来ていたけど、てっぺん辺りでウロウロしていたものな。

タイのコウモリ研究者、マレーシアの哺乳類研究者、種子散布研究者など、東南アジア熱帯で植物と動物の相互作用系を研究してきた知人の名前がずらっと並んだ多国籍チームによる研究。
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。