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新芽を補助食として利用する雑食性ゴカイ [原著]

Zhu et al. (2016) Sprouting as a gardening strategy to obtain superior supplementary food: evidence from a seed-caching marine worm. Ecology 97:3278-3284.

イネ科スパルティナ属の種子を住処に引き込んで貯蔵する雑食性ゴカイの一種Hediste diversicolorを利用して、ゴカイが種子そのものではなく、発芽した新芽を補助食として利用している可能性をビデオ観察とメソコスム実験で検討している。最初に発芽前の種子と発芽後の種子をゴカイに与えて、それらを利用するかどうかを直接観察している。ただし、人の気配を感じるようなので、webcam経由で観察している。結果はクリアーで、発芽前の種子は全く利用されないが、新芽はすべて利用されている。

次に種子の再配置や発芽能力を確認するために種子を土壌表面に設置した処理と1cm程度埋めた処理とそれぞれにゴカイの有無を組み合わせた実験系をつかい、ゴカイによる種子の埋め込みを確認している。1か月後、ゴカイがいない処理では、種子の再配置は起きないが、ゴカイがいる処理では、表面の種子の一部は土壌中に埋め込まれている。処理間で種子活性には差がないことから、ゴカイに埋め込まれることの悪影響はなさそう。

さらに新芽が栄養補助食として利用されている可能性を調べるために発芽前の種子とデトリタス、外皮を外した種子とデトリタス、発芽した種子とデトリタス、デトリタスのみの4処理の実験系で、ゴカイの成長を比較している。外皮を外した種子とデトリタス、発芽した種子とデトリタスの処理では、他の処理よりもゴカイの成長量が良く、種子や芽生えを食べることで、栄養を得ていることは間違いなさそう。

ただし、発芽するまでに数週間から数カ月かかり、貯蔵した種子の一部が発芽するだけなので、あくまで補助食と考えられる。貯蔵して発芽しなかった種子も腐れば、デトリタスとして利用できるので、無駄にはならない様子。種子を貯食しているゴカイがいるとは知らなかったけど、その分野では、よく知られていたのかな?水の中にはまだ秘密がいろいろありそう。
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