So-net無料ブログ作成

東京の皇居におけるタヌキの食性の長期変動 [原著]

Akihito et al. (2016) Long-term trends in food habits of the raccoon dog, Nyctereutes viverrinus, in the Imperial Palace, Tokyo. Bulletin of the National Museum of Nature and Science Series A 42:143-161.

皇居には1990年代からタヌキが見られ、これまでにもタヌキのため糞で食性を調べた研究や行動圏を調べた研究が報告されてきた。今回はより長期の糞内容分析に基づいたタヌキの食性を報告している。調査期間は2009年1月から2013年12月で、毎週日曜日の午後2時に回収している。ただし、ため糞に新しい糞がなかった場合は、サンプリングしていない。糞は5mmメッシュのふるいで洗い、10個以下の種子は数えて、それより多いものは10より多いとしている。

261回の調査で164個の糞を調査しており、Appendix 1に生データに近い形で掲載されている。ただし、3月から8月はほとんどデータが得られていない。164個の糞のうち、163個から種子が見つかっており、果実食の傾向は強い。95分類群のうち、属レベルまで同定できたものが58分類群。このうち、小動物を食べた際などに含まれた可能性が高い出現頻度の低いものを除いた35分類群を主要な食物として解析している。

ムクノキ、エノキなどの落果を林床でかなり食べており、長期間にわたって糞から見つかっている。イチョウやブナ科の種子を破壊して、中身を食べている場合もありそう。興味深いのは、タヌキがイチョウの種子散布者ともなるし、種子食害者ともなりうることを報告していると思われる内容なんだけど、イチョウを果実として扱っているようなので読む際には用語に注意が必要。

次は皇居内の種子散布距離とか、散布後の種子の運命とかか?
コメント(0)  トラックバック(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。