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外来鳥類は在来鳥類の種子散布を不完全にしか代替できない [原著]

Pejchar (2015) Introduced birds incompletely replace seed dispersal by a native frugivore. AoB Plants 7:plv072.

多くの在来の種子散布者が絶滅し、外来種がはびこっているハワイで、数少ない在来種であるハワイツグミMyadestes obscurusのいる地域・いない地域を利用して、在来種と外来種の食性、シードレイン、植生などを比較している。具体的には、1)外来種が在来種と同じ種子を散布しているのか、2)ハワイツグミがいる地域の方がシードレインの量が多く、種の多様性が高いのか、3)ハワイツグミが使う環境は外来種と異なるのか、の3点に注目している。

2006年6月から8月にかけてハワイツグミが生息する場所3か所と現在は絶滅している3か所を調査地として設定している。各調査地に200m間隔の16地点からなる正方形の調査区(600x600m)を設定し、糞内容分析による食性調査、ポイントカウント、種子トラップによるシードレインの調査、植生調査を行っている。糞内容分析はカスミ網を設置し、捕獲した果実食鳥類は鳥袋にいれて、糞を回収してから放鳥している。シードレインは各調査区に40個の種子トラップを設置して、1か月に一度回収している。種子トラップの半分は風散布のオヒアMetrosideros polymorphaの樹冠下、残りは液果樹種の樹冠下に設置している。果実食鳥類の個体数密度はポイントカウント法、生息環境の利用は直接観察で記録している。

捕獲された鳥類のうち、種子を多く含んでいた在来種のハワイツグミと外来種のメジロとソウシチョウが解析対象。3種ともに含まれていたのは、Vaccinium calycinum、Rubus hawaiensis、Cheirodendron trigynumの3種。残りはハワイツグミのみから、外来種のみから種子が見つかっている。ただ、糞のサンプル数が多くはないので、どちらかしか食べないというのは微妙かも知れない。シードレインはハワイツグミがいる場所で圧倒的に高い。ハワイツグミがいない場所では、侵入種の密度はより高いが、果実食鳥類全体の密度はメジロとソウシチョウが若干増えているので、有意差はない。ハワイツグミはオヒアにいることが多いが、外来種はそのほかの樹種をよく利用しており、特にソウシチョウは林冠ではなく、林床をよく利用するなど行動パターンも異なる。

先行研究とは異なる傾向も見られるけど、考察で述べられているように調査期間が比較的短く、サンプル数が少ない影響もありそうなので、なんとも言えない。ただ、時期によっては外来種は外来種の植物ばかり食べていることはありそう。

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