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渡り鳥による海を超えた種子散布 [原著]

Viana et al. (2016) Overseas seed dispersal by migratory birds. Proc. R. Soc. B 283: 20152406.

隔離された環境へのLong-distance dispersal (LDD)の重要性はよく知られており、有力なLDDの候補の一つは渡り鳥。ただし、LDDの実証データを集めるのは難しい。この研究では、エレオノラハヤブサが捕食する渡り鳥を利用して、渡り鳥によるLDDの可能性を検討している。エレオノラハヤブサは、ヨーロッパとアフリカの渡りの主要ルートに位置する地中海の島々で繁殖を行い、渡り鳥を捕獲して、ヒナに与える。エレオノラハヤブサは捕獲した渡り鳥を巣の近くに貯蔵することが知られており、この貯蔵した鳥を利用してLDDを調べている。まあ、エレオノラハヤブサはこの行動そのものの方が有名かも。

種子を回収するために貯蔵庫の鳥の死体から消化管を取り除き、本体はそのまま貯蔵庫に残している。エレオノラハヤブサが渡り鳥を捕獲したかどうかは、GPSトラッキングされている個体の移動経路から確認している。種子の同定はDNAバーコーディングを利用し、さらに形態からも判断している。種子はTCCを利用して、発芽能力の有無を確認している。

計21種408個体の消化管を採取し、5個体(ヨーロッパウズラが8個体中3個体、シロビタイジョウビタキが14個体中1個体、マダラヒタキが157個体中1個体)から45個の健全な種子を発見している。回収数が多かったRubusの種子の発芽能力は12%で、コントロールの70%よりもずいぶんと低い値。種子が見つかった割合は、1.2%のサンプルに過ぎないが、膨大な数の渡り鳥が移動していることを考えると、かなりの数の種子がLDDで運ばれている可能性が高い。実際に移動中の渡り鳥をサンプリングするなんて、他の手法ではなかなかできないだろうな。

LDD関連の最近の論文もまとまっているので、便利。
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