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中国雲南省のRhododendron floccigerumの送粉生態 [原著]

Georgian et al. (2015) The pollination ecology of Rhododendron floccigerum Franchet (Ericaceae) in Weixi, Yunnan province, China. Journal of Pollination Ecology 16:72-81.

中国南部の標高2300~4000mに分布するRhododendron floccigerumの送粉生態を調べた研究。ツツジ属の中でも送粉生態がよく調べられているグループはマルハナバチやミツバチなどのハナバチ類に花粉媒介されているが、それら以外のグループの送粉者はよく知られていないため、まず訪花者、潜在的な送粉者、盗蜜者を明らかにしている。次に幅広い標高帯で分布する種であるため、3つの標高帯によって送粉者が異なる可能性を検討している。

まず朝に24.5時間の直接観察を行い、訪花者を観察している。さらにインターバル撮影とセンサー付き自動撮影カメラを利用した調査を行っている。植物側では、花形質の測定と盗蜜の有無を確認している。さらに標本を利用して訪花者の哺乳類と鳥類の外部形態の測定を行っている。

13種の動物(ハナバチ:Apis sp.とBombus sp.、哺乳類:オーストンカオナガリスDremomys pernyiとスウィンホーホオジロシマリスTamiops swinhoei、鳥類:Aethopyga gouldia、Brachtpteryx montana、Garrulax affinis、Heterophasia melanoleuca、Minla ignotincta、Minla strigula、Paris major、Phylloscopus affinis、Yuhina diademata)による訪花が確認された。センサー付き自動撮影カメラでは、Apis sp.以外をすべて記録しているので、効率よく調査できていた。残念ながら動画から切り出した写真なのか、あまり解像度はよくはない。

ハナバチ類は193回の訪花のうち、173回はApis sp.、鳥類9種は145回の訪花のうち、72回がPhylloscopus affinisで、残りの25回は2種の哺乳類。標高が低い場所では、ほとんど訪花が見られず、真ん中では鳥類と哺乳類、高い場所では、鳥類による訪花が見られている。センサー付き自動撮影カメラでは夜間の訪問は記録されていない。開花前に26%の花では盗蜜の形跡があり、開花終了時期には、50%の花で盗蜜の形跡が見られている。

排除実験などは行っていないが、直接観察、インターバル撮影、自動撮影カメラを組み合わせて、潜在的な送粉者相を明らかにしている研究。最初はこういったかたちで何が来ているのかを確認してからだよな。

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中国南部の固有樹種Firmiana kwangsiensisの主な送粉者はタイヨウチョウ [原著]

Huang et al. (2018) Sunbirds serve as major pollinators for various populations of Firmiana kwangsiensis, a tree endemic to South China. Journal of Systematics and Evolution 56:243–249.

アオイ科(昔のアオギリ科)の花はいかにも鳥媒花という形のものがあるけど、その中でも中国南部の石灰岩地の固有種Firmiana kwangsiensisを対象とした研究。保全のために移植した場所1カ所と自然個体群3か所を調査対象として、訪花者を比較している。具体的には、自家和合性や自動自家受粉ができるのか、花粉制限があるのか、原産地と移植地で送粉者は異なるのか、について検討している。

調査地は中国南部の広西チワン族自治区。花形質については、自然個体群から計90花を2時間おきに観察している。花蜜は袋がけした花から2時間おきに採集して、簡易糖度計で糖度を測定している。訪花者の観察は個体群あたり、30分の観察を最低10回、計55時間行っている。樹高30mくらいになるはずだけど、どうやって観察したんかいな?双眼鏡で直接観察だろうか?夜間も一応、確認しており、20-22時で数時間見て、何も来なかったとしている。自家和合性や自動自家受粉の検討には袋がけ、自家花粉、他家花粉の3処理を比較している。さらに送粉者の排除実験として、完全排除、鳥類排除、コントロールで結果率と結実率を比較している。

個花の開花期間は3日間で、糖度は9%くらい。訪花者は野生個体群では、キバラタイヨウチョウ、移植個体群では、エンビタイヨウチョウ。野生個体群では、ミツバチ(Apis mellifera)、アシナガバチ(Polistes okinawensis)、チョウ(Papilio protenor、Hebomoia glaucippe、Troides aeacus)なども来ているが、いずれの調査地でもタイヨウチョウの訪問頻度が最も高い。コントロールや他家受粉は、自家受粉、すべて排除、鳥類排除などよりも結果率や結実率が高いだけではなく、花粉制限もなさそうで、基本的には鳥類による他個体からの花粉媒介が必要な繁殖システム。

カオヤイでは見たことないけど、タイ北部にも同じ属は分布していて、鳥媒花っぽい雰囲気だった。
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ツツジ属におけるスズメ目の鳥類による花粉媒介の証拠 [原著]

ツツジ属におけるスズメ目の鳥類による花粉媒介の証拠
Huang et al. (2017) Evidence for passerine bird pollination in Rhododendron species. AoB PLANTS 9:plx062.

昆虫の活動が限定される低気温の場合、鳥類が重要な送粉者になることが考えられる。本研究では、中国南西部の東ヒマラヤにおいて、ツツジ属15種を対象とした訪花者の確認と排除実験(鳥類のみ排除、鳥類と昆虫の両方を排除)から、有効な送粉者を検討している。具体的には、ツツジ属に鳥類が訪問しているのか、それらは送粉者として機能しているのか、ツツジ属の花サイズと鳥類の訪花には関連があるのかを検討している。

調査地は雲南省のCangshan National Nature ReserveとLaojunshan Nature Reserveの2か所で、標高は1800~4200m。そこに分布するツツジ属のうち、排除実験などを行うことができるだけの十分な花数・個体数がある15種(木7種と灌木8種)を対象としている。訪花者の確認のため、各種少なくとも30分の観察を10回行っている。観察時間は8時から18時の間で、5-10m離れた距離から双眼鏡で3個体60~400花を観察している。排除実験は完全排除、鳥類のみ排除、コントロールの3処理。写真の金網だと鳥類排除できているのか微妙な感じがするけど、予備観察ではうまくいっているらしい。もう少しメッシュを細かくするとマルハナバチに影響が出るのだろうか?

15種すべてでハナバチ(マルハナバチとミツバチ)の訪花が見られたが、鳥類は9種でのみ観察された。観察された鳥類は、タイヨウチョウ2種(ルリオタイヨウチョウ、アカオタイヨウチョウ)、コウラウン、シロクロウタイチメドリ、チャバラカンムリチメドリ、メジロなど。鳥類の訪花頻度はハナバチ類よりも低いが、鳥類が訪花した9種はコントロールよりも鳥類排除により結果率・結実率が低下した。鳥類による訪花が見られなかった6種では、1種を除き結果率・結実率は変わらないことから、少なくとも15種中10種において、鳥類が有効な送粉者として機能している。鳥類が潜在的な送粉者である10種とその他の5種の開花時の花サイズを比較すると前者の方が大きく、標高が高いところに分布している。

雲南省での鳥類による花粉媒介に関する先行研究がまとめられており、ちょっと調べるには便利な論文。
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花蜜特性とCamellia petelotiiの送粉者としてのタイヨウチョウの役割 [原著]

Sun et al. (2017) Nectar properties and the role of sunbirds as pollinators of the golden-flowered tea (Camellia petelotii). American Journal of Botany 104:468 – 476.

冬季に開花するツバキ類を対象とした花蜜分析と野外でCamellia petelotiiの有効な送粉者を検討している。アジアでは、タイヨウチョウのようなスペシャリスト、メジロやヒヨドリなどのジェネラリストの2グループの鳥類が花粉媒介に貢献している。本研究では、Camellia petelotiiを対象としてさまざまな時間帯と起床条件下での訪花者を確認している。次にケージを用いた排除実験から、鳥類と昆虫の効果を検討している。さらにツバキ類8種と22品種を対象として、HPCLで花蜜の成分分析を行い、フルクトース、グルコース、スクロースの割合を調べている。

訪花者はアカハラコノハドリ、キゴシタイヨウチョウ、ミツバチ、ハナアブなどで、30分あたりの花あたり訪問頻度はミツバチが最も高く、次にタイヨウチョウ、ハナアブ、コノハドリの順番。ミツバチの訪花は時間帯や天気によって異なるが、鳥類は時間や天気に関わらずほぼ一定。鳥類の排除実験により、ミツバチだけだとfruit setもseed setも大幅に低下し、鳥類が有効な送粉者として機能している。針金で作った排除実験用のケージはこの研究用に作ったのか、それとも何かを流用したのだろうか?やはりキゴシタイヨウチョウが花に来ている写真とかよいですな。

Camellia petelotiiの花蜜の糖度は平均18.6%で、フルクトース8%、グルコース5%、スクロース87%で、スクロースがほとんど。他のツバキ類の花蜜の糖度は16-51%で、スクロースがほとんど。ツバキの仲間がほとんど同じような花蜜特性で、冬から春にかけて咲いていることからも鳥類が花粉媒介に貢献している可能性は高そう。
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狩猟や伐採が熱帯雨林の哺乳類群集へ及ぼす影響の相関と持続性 [原著]

Brodie et al. (2015) Correlation and persistence of hunting and logging impacts on tropical rainforest mammals. Conservation Biology 29:110-121.

狩猟や伐採が熱帯雨林に暮らす哺乳類群集に与える影響は、さまざまな研究が行われてきたが、特定の地域やどちらかの効果を評価したものが多い。本研究では、ボルネオのサバ州とサラワク州で行われたカメラトラップデータに基づき、狩猟や伐採が中・大型哺乳類のα多様性に及ぼす影響を評価している。

調査期間は2010年から2012年で、サラワク州5か所、サバ州2か所の計7か所にのべ153地点でカメラトラップ(Reconyx RM45またはBushnell TrophyCam)を行っている。カメラが故障したり、盗まれたりしたため、解析対象は134地点。各調査地のできるだけ幅広い環境条件を含む形で、少なくとも1kmは離してカメラを設置している。各調査地での調査努力量は平均60-194カメラ日で、3倍程度のばらつきがある。長期間設置することでハンターがカメラを避けることは考えられるが、そのような傾向は134か所のうち1か所でしか見られていない。

調査地間の伐採履歴はかなり異なるけど、各調査地で伐採なし、伐採後10年以内、10年以上前に伐採された森の3つのカテゴリーのうち、少なくとも2つにカメラを設置している。狩猟はカメラに撮影されたハンターの遭遇率を計算して利用している。説明要因として、環境要因を代表して標高(と標高2)、狩猟、伐採履歴を利用して、のべ16,608カメラ日のデータに基づきhierarchiacal Baysian multispecies occupancy modelsで解析している。

記録されている哺乳類の種多様性と関連するのは伐採履歴と狩猟である。伐採履歴の場合、他の要因が一定であれば、新しく伐採された場所では、伐採されていない場所と比べると哺乳類の多様性は11.3%減少するが、古くに伐採された場所ではそれほど顕著な影響は見られない。種別にみると新しく伐採された場所では全種、古くに伐採された場所でも63%の種で占有率が減少している。一方、狩猟では、他の要因が一定であれば、狩猟があることで哺乳類の多様性が30.7%減少した。種別にみても87%の種では、狩猟の効果は負である。特に古くに伐採された場所では、霊長類や有蹄類に対する狩猟の影響が大きい。
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